甲斐犬サスケくん(個人指導レポート)

昨日,ドッグランのある公園でサスケ君(甲斐犬♂6歳)の初回指導を行いました。飼い主さんは少し離れたところにお住まいで,車で片道2時間近くかけて来て下さいました。

 

一番のお悩みは他の犬を見ると遊びたくて興奮すること。鳴きながら飛びついて行くので,相手によっては怒らせてしまうこともあるそうです。病院の待合室でも大騒ぎになるとか。でも,6歳を過ぎたオスの甲斐犬がどんな犬に対してもそこまでフレンドリーなものか?少々疑いを持ちつつ初回指導となりました。

ドッグランにはジャックラッセルテリアやトイプードルなど小型犬がいましたが,それらの犬に対する反応は,確かに攻撃性の片鱗も感じられず,ただただ遊びたいだけ。そして,やはりいきなり突進しようとしました。リードでコントロールしながら,突進したら近づけない,相手が近づいてくれるのを待てば交流できる,ということを教えました。

少しして,メスの大型犬が入ってきたのですが,これに対しては,伏せの体勢を取って待ち構え,近づいてくると声を出しながら突進しようとしました。攻撃性が混じってはいるもののそれほど危険な感じではなく,遊びたさ半分怖さ半分の複雑な心理が伺えました。これもリードでコントロールしながら落ち着くように補助したところ,相手とジェントルに交流することができました。

サスケくんは学習能力が高く,タイミングよく補助してあげればどんどん行動が変わってくるので,飼い主さんは驚いていました。とは言っても,もちろんこの1回だけで解決できるものではないので,あとは日常生活で飼い主さんにトレーニングを続けていただきます。

 

このほか,「脚側歩行が続かない」ということでしたが,そもそも飼い主さんが脚側歩行のつもりでやっていたのは,リードをごく短く持ったまま歩き,前に出るたびにショックを入れる,というスタイルで,サスケくんに脚側歩行している意識は全くなし。多くの飼い主さんがやっている間違いでした。

「リードを引っ張らない散歩」と「脚側歩行」は全く違うものであることを説明し,それぞれのやり方を実地にご指導しました。

今までの教え方こそ間違っていましたが,飼い主さんは犬に対して声を荒らげることがなく,互いの関係がとても良かったので,二つの歩き方もすんなり入って行きました。

 

犬は家族に順位をつけている(=だから上に立たなくてはいけない),という迷信と同様,犬の散歩は人の真横を歩かせなくてはいけない,という偏った考え方がいまだに世間にはびこっているようです。人と犬の関係はもっとナチュラルなものだったはず。こんなつまらない迷信はいつになったら無くなるのでしょうか・・・。

サスケくんは今どき珍しいきれいな赤虎です。

表情にも穏やかな性格が表れていますね。

 

自由歩行では道草をぱくぱく(みんなやりますよね)


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コメント: 2
  • #1

    リリ-ママ (水曜日, 20 5月 2020 10:57)

    サスケくん!本当に綺麗な優しいお顔ですね6才でうちのリリーと年齢が近いので親しみ感じます!私もご指導して頂く度に目から鱗ばかりでした。こうして他のワンちゃんの記事等拝見させて頂くと更に大変勉強になります

  • #2

    サスケの友 (金曜日, 22 5月 2020 19:22)

    山下先生
    先日はありがとうございました。
    御指導頂いてから散歩の時は2,3日でリードを引っ張らなくなって普段はリードにテンションがかからないリードウォークを自然に出来ていて散歩が今までより楽しくなりました。
    リリーママさん
    サスケをお褒め頂きありがとうございます。
    飼い主としても愛犬の顔をお褒め頂くと嬉しく思います(笑)