体重を適正に保つことは健康管理の重要な要素です。我々獣医は姿を見たり触ったりすれば適正範囲かどうかわかりますが,毎日一緒に暮らしている飼い主さんは見慣れてしまってわからないかもしれません。「食が細くてトッピングしないと食べてくれない」というお宅に伺ってみると犬が丸々と太っている,ということはよくあります。
まずはまめに体重を測りましょう。
小型犬なら犬を抱いたまま体重計に乗ってから人間の体重を引けば良いのですが,中型犬以上になるとそれもなかなか大変。体重計に乗る,という指示を教えておくと便利です。
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写真は継続指導中のリリーちゃん。(白柴♀) 遠方にお住まいなので実地指導は年に一度,あとは通信指導です。
飼い主さんは大変真面目な方で,メールによるご指導だけで,指示ひとつで体重計に乗るように教えて下さいました。
2年前には体重17kgを超えていて,ウェストが全くないばかりか顎の下に肉の首輪がありました。体重と給与量を正確に測ってもらいながら少しずつ落として,現在は9.7kgだそうです。個人的にはもうひと絞りしてもいいかなと思っていますが,健康上は適正範囲になりました。
(ご相談のメインは他のことですが,体重管理もトータルな指導の一環としてやっています)
2年前(ピークよりは少し痩せた頃)
現在
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はる (土曜日, 02 5月 2020 10:56)
二年前と随分変わりましたね!体重計にも乗れてすごい�
(管理者) (土曜日, 02 5月 2020 15:29)
同じ比率で考えると,2年前に88kg以上あった人が50kgまで落ちたことになります。落とすペースを細かくご指導してきたとは言え,何より飼い主さんの根気の成果だと思います。
体重計の上でオスワリしているリリーちゃんの明るい表情を見れば,喜んで乗っていることがよくわかります。強い号令で乗らせていればもっと緊張した顔になるので,トレーニングを正しく進めて下さった証拠です。
やらせたいことを一方的に押しつけるのではなく,やってほしいことを犬自身がやりたくなるように丁寧に演出すること。これはあらゆるトレーニングに共通です。
リリーママ (日曜日, 03 5月 2020 10:59)
あらゆる面でご指導頂いております。「リリーの気持ちになって、何を望んでいるか?どう思うか?」一番大切にしないといけない考え方を学ばせてもらいました。(まだまだ飼い主として半人前ですが)リリーが体重計に乗った時は大変感動しました。これからも共に成長していきたいです。宜しくお願い致します。